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       私の21世紀の初QSO

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               2001/01/06の日記から


大晦日は、20世紀最後のお祭りと称して、OAM(※1)と144CWで過ごした。楽しかった。CWで締めくくるのは当然として、144というのが少しだけ引っかかった。144も悪くないが、本籍1.9、現住所7、と自称している小生としては、やはり7か1.9で締めくくりたかったところだ。


さて新年/新世紀を迎えた。年末の家事全般の多忙さから解放され、特に何をしなければいけないということのない連休は久しぶりで、溜まっていた個人的業務に費やすことができた。SKN(※2)イベント用に14に合わせ込んだアンテナからは、ノイズしか聞こえてこない。BGM代わりに流して他の作業に移るが、やはり気になる。普段から出ていないと、電離層も味方してくれないのだろう。そうだ、ここはやはり1.9なのだ。


1.9は私のHAM心のふるさとだ。このバンドで、初QSOを行った。結果に於いて。多少成り行き的な勢いの中での、ARRLコンペティション参加であった。ほんのちょっとした手違いで、私が電鍵を打つことになっただけだ。この辺りの状況は、いずれ酒宴の場で、徐々に漏らしていくのが楽しいのかも知れない。だが、電鍵をたたいたのは私だった。JA7FWTのCWサウンドが、初めて電波になって、しかも海を越えて飛んでいったのだ(※3)。1.9は若いバンドだった。1.8の、あるスポット周波数で免許されていたのが停止され、1.9で初めて幅のある周波数帯として免許されるようになって1年くらいしか経っていなかったと思う。1.9に出られる局だけの全国版コールブック(※4)が作られる前だ。10MHz帯は、霞にもなっていなかった。唯一の、CWのみのバンドだった。わずか5kHzの幅だ。


そんなバンドで、初QSOを、成り行きが手伝ったとはいえ、とにもかくにもやったのだ。私の、その後のHAMライフに、良くも悪くも影響を与えることになろうとは、その時は深く考えなかった。悪い面と言えば、CW以外、そしてハイバンドのほうには長らく興味がもてなかったことだろうか。今でもCW以外にはほんのちょっとしか目を向けていないが。良い面と言うのは、CWは、当時より私の中で大事なモードであったが、A1のみの免許状を用意するほど、CWにのめり込んでいること。そしてそれをずうっと続けているし、これからも続ける気持ちでいること。良い面なのかどうか、第3者には決められないことだが。どのバンドが好き?と聞かれて、迷わず1.9と7、と答えることが出来るのはいいことだ。これは他人との比較ではない。


夕方、暗くなってからの作業だ。隠密アンテナは、やはり太陽の明るい日差しの元での作業は似合わない。かねてより取り付けてあった伸縮ポールと、ベランダの反対側に取り付けたBSアンテナ用ポールの間に、細めのアルミ線を張り渡す。全長8mくらいか。作ってあった1.9用のローディングコイルが、こういうときに限って出てこない。マーフィーの法則がこんなところにも顔を出す。やむを得ず、3.5〜7用に汎用的に使っているローディングコイルを取り付け。アンテナチューナーで調整すると、なんとかSWR1.8まで行く。これ以上はチューナーの調整範囲外だ。やはりコイルのインダクタンスが不足気味なのだろう。今流行のオートマチックチューナーを使うと、このあたりの感が鈍るような気がして、財布から数万円無くなるのを防止させている。


さっそくRIGの前にとって返し、1908から1912をスキャン。よしよし、いける。何局か、QSOパーティーの交信をしている。1825から下にダイアルを合わせてみたが、やはりアンテナがそこまでは面倒を見てくれないようだ。ノイズも減る。とりあえず、1910辺りに戻って1局呼んでみた。応答有り。しかし、近隣からと思われるノイズがひどい。選択度を最高に狭くしてみたり、ノイズブランカを入れてみたりするが、気休めにしかならない。やはり最後は勘と経験の世界だ。


こんな、いわばいい加減なアンテナでも1.9に出られるのだ(※5)。欲を言えばきりがないが、ローバンドへのお誘いをしても、アンテナが、、、と言い訳する方には、別の言い訳を考えていただきたい(笑)。しかし1.9には独特の雰囲気があって、それを好むか好まないか、他バンド以上に意見が割れるだろう。「好む」のは少数かも知れない。


CQを出す。お、呼んでくる呼んでくる。RST599?、コンテストモドキモードのご祝儀RSTと判ってても、まぁ悪い気はしない。立て続けに数局と交信。規定の20局には届かないが、30分かそこらのオンエアだから、止むを得まい。1局、せっかく呼んでくれたのにノイズの陰でどうしてもわからない。うちの電波はどうだったのだろう。


ともあれ、21世紀の初QSOとしては、1.9で行うことが出来た。これで、何か忘れ物をしたような気持ちを抱かずに、今世紀中に必ず訪れる、私のハムライフ終焉の時まで続けられるだろう。33年前の初QSOの時も、21世紀の初QSOの時も、打った電鍵は縦振りだったことを付記しておく。


みなさんは、どんな21世紀初QSOを実現されただろうか。


JO1FYC/JA7FWT

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※1 OAM・・・オンエアミーティング、当然CWで。

※2 SKN・・・ストレートキーナイト 縦振り電鍵だけのお祭りらしい。

※3 1.9の初QSO・・・属していたJA7YAFもまだ1.9のライセンス変更ができていなかったので、JA7YAFではオンエアできなかった。その後の話で、盛岡からも初めて、だったらしい。岩手県から、はどうだったろうか。

※4 1.9に出られる局だけのコールブックがあったんです。ガリ版刷りで。もちろん、当局も掲載されました。

※5 とはいえ、やはり長くて高いアンテナがほしい。1.9の3エレ八木、4エレクワッド、15エレ4段スタック八木、なんてことは申しません、せめてフルサイズのダイポールか逆V。