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雑記

2009年4月1日の作りモン


いやぁ、久しぶりに、ハード・ソフトの集大成の作り物を製作しました。もちろん、CWに関するブツです。

前々からこんなモノがあればおもしろいなぁ、と思っていたモノでしたが、アイディアだけはCW黎明期から持っていたものの、それを実現するにはハード面はともかく、ソフト的な素養も必要で、これがなかなか敷居が高く、モノになってくれませんでした。大体において当方の「作りモン」は、あちこちで公言しているとおり、99.9999%は言いっぱなしの計画倒れ。企画してから1年以内にできあがることは、まず間違いなく、ない。たいていの場合は5年計画、10年計画が常態。で、今回紹介するモノは20年計画くらいかなぁ。いや、もっとだ。マイコンボードを買って戯れている頃からの計画だから、30年近くですねぇ。

私の手がけた「マイコンボード」は、東芝の「TLCS−12A EX5」という、知る人ぞ知る、知らない人は知らないものです。世の中、TK−80がメジャーで、他にもいくつか、いわゆる有象無象のマイコン雑誌に取り上げられて紹介されるマイコンボードはたくさんありましたが、ついぞこのTLCS−12Aは、お目にかかれませんでした。・・・あ、いや1回くらいはあったかな。

ともあれそういったマイナーなボードを、なぜか気に入り、ビットスイッチをパネルに付けて、昔の「ミニコン」風に仕上げたものです。ソフトもいくつか作り、打ち込み。テストラン・・・・しかし、走ってくれません。それやこれやでいろいろ調べて、半年後くらいに東芝マイコンのショップに持ち込んだら、CPUの故障。それまではいつ込んだソフトが悪いのか作ったボードが悪いのか・・・とさんざん悩んでおりましたが、なぁにご本尊の不具合でした。

しかしこれで少々意気消沈。今回の作りモンのアイデアだけはあったものの、モノにすることができず、断念。

それやこれやで、CPU環境も大きく様変わりして、パソコン時代。

しかしこうなるともはや、ちょこっとしたソフトモノの出番が無くなります。パソコンで走るソフトまでは手が出ず。アイデアだけが残留。


いやしかし、世の中、捨てたモノではありません。時代が下り、当方も数年前からPICなるワンチップCPUと戯れることができるようになりました。今度は昔のように、ビットスイッチでぱちぱちと打ち込む・・・時代ではありません。パソコン上でアセンブラで書き、コンパイルしてPICに書き込みます。ピンの出力を、直接、H/Lの制御ができるので、もうなんだかCW屋としては無条件にうれしくなります。

CWとPIC。おそらく、たいていの人は、まずはエレキーでしょう。

デモ、いつもひねくれている私は、広い意味ではエレキーかもしれないけれど、まともじゃないブツを、実は企画していたのです。

それが、30年近く前から暖めていたアイディアの実現。

いやしかし、具体性が出てきてからも5年計画ですかしらん??

いよいよ、その内容を公開します。


1,短点の連続は、短点の立ち上がりに、チャタリングを付加する。短点の初回の立ち上がりを特に多めに付加し、2回目以降を少なくする。

2、短点の連続回数に制限を付ける。とはいえHHはもちろん、数十回程度はトトトト・・・が出せるようにする。

3,短点の連続の終わり頃には徐々にマークの時間を長くするか短くするかを選べるようにし、前者では最後はマークで終わる。後者はスペースで終わる。

4,長点のほうは、乱数を用意して、基本的な長点の長さに対し、若干の揺らぎを与える。

5,長点の揺らぎは、さらに、短点の次の長点、及び長点が連続するときの2回目以降の長点の基本長を外部のディップスイッチで設定できるようにする。

6,短点の次の長点に移行するときのスペース、及び長点の次の短点に移行するときのスペースを、長点の連続、短点の連続の時のスペースとは別の設定ができるようにする。

7,短点長と長点長の比率、さらにはスペース長の比率は、自由に設定できるようにしておき、打ち込みながら調整する。


以上をPICソフトで作って、ハードはPIC出力をキーイングさせるだけだから簡単ですね。大部分はソフトモノ。


なお、和文特有の符号が何回か出てきたら、短点長と長点長の比率を、和文モードに切り替えて、揺らぎの度合いを強力にさせる、というのは、まだアイデアだけで作り切れていません。和文モード用の設定と欧文モード用の設定は、今のところSWで切り替えてます。



使用感ですが・・・・う〜みゅ、なんか、作るのに苦労した割には、最初から手打ちのほうが早いかなぁ・・・

予定外の効果としては、鍛錬用に、揺らぎ設定や長短点スペース比の大乱しの設定で、受信訓練用に自分で打ち込むことができること。これ、なかなか自分で打とうとしてもついつい自分の癖が出てそれほど乱れた符号にはなってくれないんですよね。あまり鍛錬にはならない。その点、このキーヤーなら、いくらでも乱すことができますから。ま、やり過ぎると長点と短点の区別どころか、文字と文字の間もつながったりして、なかなかにハードな鍛錬になってしまいます。・・・こうなると、はたしてそこまで鍛錬する必要があるんかいな?と、ちょいと疑問ですが。

1:3の基本比もいいけれど、多少ならこうして揺らぎさせた符号も、CWバンドにところどころ存在感を示す、というのも、いいんでないかい??




おっと、4月1日は、アップロードする時間がなさそうなので、ちょっと早いけど4月1日付でアップしちゃいます。



JA7FWT/JO1FYC 菊池